映画 「不撓不屈」

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映画 「不撓不屈」 を観ました。

高杉良氏の同名小説の映画化作品です。

タイトルからして硬いイメージで、ポスターは主役の滝田栄さんが
眉間にしわを寄せて渋い表情をしています。他の出演者の方々も
年配の方ばかりで、若くて可愛い女優さんは出てこないのでしょうか。

実話に基づく、税理士と国税庁との対立を描いた作品でした。

結論を先に言ってしまいます。
私個人的には、物足りなさを覚えた作品でした。
あくまで私の個人的な意見として、映画の視点、捉え方に不満を感じた
ということで、若干感想を述べてみます。

まず争点となった節税手法の「別段賞与」について、サラリと紹介してくれますが
国税庁側がどこをどう問題視したのか、ということはほとんど見せてくれません。

キャリア官僚の私怨や国税庁のメンツが、対立の根本、メインとなっているのが
つまらなく思います。

争点の法解釈、運用を真っ向勝負で描いて
対立の構図を明らかに見せてもらいたかったと思います。

当時の法制上では合法でも、経営者如何により
確かに、脱税の温床となりそうな節税手法ではありました。

税理士・滝田栄の敵役官僚・松澤一之、三田村邦彦の
チンピラまがいの描き方にも不満でした。

ストーリーを判りやすく伝えるための、演出だとは分かっていても
ここはやはり、滝田栄さんと同格の俳優さんに、ドッシリと演じてもらいたかったです。

旅費日当の問題とか、税理士法改正の動きなどもチラっと出てきますが
どれも理念、解釈の説明、対比が全くないので、ストーリーが面白くなりません。

描かれるのは理不尽な税務調査、検察の横暴と、それに必死に耐える
滝田栄やその家族の姿だけでした。

滝田栄さんは強く、品格のある税理士を演じて見事でしたが
こういう素晴らしい人物が、かつて存在したという話に終止しただけに思います。

最後は結局、官僚のトップの脱税幇助が発覚したことによって
対立は終結します。

なんとも釈然としないものが残りました。

映画の観客はみんな、滝田税理士の顧客の、そばやのおばあちゃんのように
”私にはムズカシイことはわかんないけど、先生は悪いことするような人じゃない
いつかはみんなが分かってくれると信じています。” ということなのでしょうか。

こういう感想を持ったのは私だけかも知れませんが、原作と少々離れることになっても
もっときっちりと対立の構図を、若い感性の監督、脚本で描いて欲しかったと思います。




「別段賞与」・・・従業員の賞与を未払金のまま損金に計上して
         会社が従業員から借入れる形をとり、運転資金として運用し
         資金事情の良い時期において、社員たちへ支給を実施するという方法。






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