映画 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」
映画 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」 を観ました。
日本アカデミー賞ほか数多くの映画賞を総ナメにした感動の
大ヒット作『ALWAYS 三丁目の夕日』の続編。
前作終了から4か月後、昭和34年に春の夕日町三丁目に住む
人々の姿を描く。
大ヒット作の続編の難しさは、もしかすると作り手より
観客の方が、良く判っているのかも知れません。
果たして、今作は前作のように多くの支持を得られるのでしょうか。
私には、前作同様の満足感、幸福感を得られた稀有な作品でした。
146分という長尺の映画でしたが、そう感じさせない
テッペンからシッポの先まで、飽きさせない楽しさに満ちた
作品に思いました。
まずはオープニング。
東宝作品ならでは、お馴染みのテーマと共に、なんとゴジラが
登場してくれました。そしてあろうことか、あの鈴木オートを
シッポで破壊してくれました。
思わず快哉を叫びたくなったこのシーンから、ツカミはOK、
私たちオヤジ世代には、ワクワクする展開が続くのでした。
そうです、当時のゴジラは、今よりはるかに強くて怖かったのでした。
前作のキャストが、全員”三丁目”に帰ってきてくれたのが
ウレシイ限り。あの懐かしくも心地よい世界を、再現してくれます。
昭和ブームの元祖ともいえる前作同様、今作でも羽田空港、日本橋、
また当時の最新鋭の、こだまなど、前作の強烈だったインパクトは
やや薄れたかには思うものの、目を瞠る映像の連続で楽しませてくれました。
ですが、首都高が上にない日本橋の映像に唸るのは、オヤジ世代だけかな
という危惧も少々感じました。そう見なければ、すごくフツーなんです。
当時の羽田空港など、ちょっと通好みのチョイスだったかも。
でもワンシーン、ワンシーンのそのすべてが、丁寧に作り込まれていて
駄菓子屋・茶川商店の軒先にぶら下がった商品のひとつひとつ、
空き地に捨て置かれた廃車などなど、見応えは限りないほどあります。
ボーっと見ていると、それらが当たり前にあるように、
自然に見えてくるのが、スゴイと感じるところでした。
お話は前作同様、貧しかったあの時代を懸命に生きた、
心優しき人々の人情味溢れる世界を、盛り沢山に思えるほどの
エピソードを散りばめて描いています。
例えば、アクマこと佐久間先生(三浦友和)が、前作で酔った帰りに
狸に化かされ、戦争で死んだ妻子と夢の中で再会出来たことから、
その場所でヤキトリを手に、狸との再会を願うシーン。
このほのぼのとした暖かさ、優しさ、可笑しさがこの映画の魅力です。
今回は”遭いたい人がいる”というのがテーマらしく、
いろいろな出会いと別れが登場しますが、茶川(吉岡秀隆)と
ヒロミ(小雪)の話が核となっていて、とっちらかって
収拾がつかなくなるのを避けていました。
映画が全盛だったあの時代の、満員の映画館に存在した笑いと涙
というのを髣髴とさせる、楽しさに満ちていたように思いました。
キャスト陣は皆さん良かったですが、一人挙げるとやはり
薬師丸ひろ子さんの見事な存在感でしょうか。
前作同様、しっかり者の強くて優しいキレイという、
理想というべきお母さんでした。
前作と同じキャストで同じ世界観を十二分に楽しませてくれました。
この点で、前作のインパクトは薄れ、新味に乏しいという向きもいるでしょうが
私にはとても満足度の高い作品でした。
この記事へのコメント
この映画でのCGの使い方こそが、本来の映画でのCGのあるべき姿だと思っていました。スパイダーマンみたいにヒーローがフルCGというのもどうなんだろう?といつも思っています。
Mr.Gサンもおっしゃってます三浦友和ふんする「アクマ先生」がとても良い味を出していて前作の例のシーンでは泣けました。今作での活躍(?)も期待してましたが、Mr.Gサンの短い解説だけでも何だかグッときました。
11月に入ったらすぐに観に行きます。しかし先取りですでにご覧になったMr.Gサンがうらやましい!
本当はもっと熱く語りたいほど、ハマリました。
YUTAKAさんにもぜひ楽しんでいただきたいと思います。前作にハマった我々の世代には、たまらない映画に仕上がっているように思います。
楽しい映画でしたね。相変わらず細部に手を抜いてない、丁寧な作りに好感が持てました。
三丁目の住民が勢ぞろいしてくれたのもウレシかったですが、前作で氷屋さんだったピエール瀧さんが、今作ではアイスキャンディーを売っていました。こういうところにニンマリしてしまいます。