映画 「陰日向に咲く」
映画 「陰日向に咲く」 を観ました。
東京に暮らす“どこか日の当たらない”9人の人々が、
一生懸命生きようとする姿を描く笑いと涙の群像ドラマ。
岡田准一、宮崎あおいら若手と、西田敏行、三浦友和ら
ベテランたちが絶妙なアンサンブル演技で魅せる。
劇団ひとり氏のベストセラー処女小説を読んでいませんが
この映画、予想と違い、面白おかしいお話ではなく、
地に足の着いたというのか、等身大の人間たちの、
それぞれに苦悩しつつ、生きていく姿をを真摯に見つめた
泣かせる映画に仕上がっていました。
いくつかの異なる人々のエピソードを交互に描いて
それらが終盤に近づくにつれて、繫がりを見せるという
手法は最近の映画に良く見られますが、今作において
それが見事に成功した、とは言いがたいと思いました。
それぞれのエピソードも、私にはさほど出来の良い話と
思えるものはなかったような印象を受けたのですが
しかしながら、映画としての出来はとても良かったです。
その一番の理由は、メインの役者さんたちの演技による
ものと思います。
岡田准一の演技は今までにない、見ているこっちが
イライラするほどの、中途半端なダメ男を演じて秀逸でした。
三浦友和はいつもながら安定した演技で、特に今作のような
静かに苦悩を見せるような役柄にはハマリます。
西田敏行もお見事の一言。
今作ではホームレスの男を演じましたが、ただ汚いナリとメイク
をしましたというのとは次元が違い、ホームレスを生きてきた
男の悲しさ、厳しさ、それにしたたかさを感じるものでした。
最後に宮崎あおいちゃん。
彼女が相変わらず素晴らしく、この作品の魅力を高めます。
彼女は自分の表情やしぐさを、完璧にコントロールして
今回も私をノックアウトしてくれました。
派手さはないものの、佳作というべき映画でした。
この記事へのコメント