映画 「ブリュレ」

画像
(C) 2008CINEVITAL





映画 「ブリュレ」 を観ました。

別々に暮らしていた一卵性双生児の姉妹が再会し、失われたときを
埋めようとするかのように惹かれ合うさまをつづった人間ドラマ。

病に侵された妹とその姉が、逃避行を繰り返しながら迎える
最期の時間のきらめきをスクリーンに刻み付ける。

実際に一卵性双生児である中村梨香と中村美香は
オーディションで選ばれ、本作で見事映画初出演と主演を果たす。

まるで二人だけしかこの世に存在しないかのように
純粋に相手を見つめる姉妹のきずなに圧倒される。
                       (シネマトゥデイ)
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この映画は自主映画として撮られた作品だそうです。

恐らくは、厳しい条件の下で作られたのでしょうが、
それが良い方向に出ているようで、商業映画にない手作り感と、
作り手の想いが、そのままの形で出ているような感じがするのでした。

ストーリーは、幼い頃に別れてしまった双子の姉妹が、
13年振りに再会をする、というところから始まりました。

雪景色の道を走るバスに、妹・水那子が一人で座席に座っている
ファースト・シーンが、バックの弦の音楽と相俟ってとても良かったです。

放火を繰り返す癖が止められない姉の日名子。
妹・水那子は、病で余命いくばくも無いという。

こうした状況が説明過多になることなく、
静かな映像で、徐々に語られていきます。

はっきりいって現実感や生活感に乏しく、共感もし難くて、
また姉の放火によって、姉妹は逃避行に出るのですが、
これも逃避行というには、ままごとのようなものなのでした。

ではこの映画が、凡庸で退屈であったかというと、
決してそうではありませんでした。

おとぎ話のような叙情的な映像に、一卵性双生児の姉妹が写るとき、
画面は見事な説得力を持って、観客に迫ってくるものがあるのでした。

この映画の魅力は、そこにつきます。

実際に一卵性双生児であるという中村梨香、美香姉妹の存在感が
圧倒的で、その演技の硬さすら魅力的に見えて、同じ画面に
二人のアップをとらえた画は美しく、神秘的にさえ見えました。

彼女たち二人が、雪を投げ合って戯れたり、
列車の中で互いの髪を結ったりするシーンは、
実に楽しげで、素の表情がのぞけたようで可愛かったです。

細部においては、いろいろと不満も残る作品ではあるのですが、
とても愛すべき小品といった映画で、ささやかながら応援したい
という気にさせてくれる映画でありました。




◆公開表記
2008年10月25日(土)より、ユーロスペースにてレイトロードショー

◆公式サイト
http://www.brulee-movie.com/












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この記事へのコメント

咲太郎
2008年11月20日 00:05
正に愛すべき小品ですね。

>ささやかながら応援したい
同感です。

監督の急逝にもびっくりでしたが、
こういう大味ではない作品こそ多くの人に観て欲しいなと思います。
Mr.G
2008年11月20日 01:11
咲太郎さん、TB&コメントありがとうございます。
私も咲太郎さんと同じく、あの時のシネトレさんのブロガー試写にてこの作品を見ていました。
やっとの公開を喜ぶ監督の姿を思い出すと、まさかの想いで一杯です。
姉妹二人が同時に映るシーンは、何故かドキドキするような思いがした映画でした。二人がケーキ屋さんにいるシーンは良かったですね。

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