映画 「ウォッチメン」
映画 「ウォッチメン」
『300<スリーハンドレッド>』を手掛けたザック・スナイダーが、
映像化不可能といわれていた同名グラフィック・ノベルを
映画化したミステリー超大作。
数々の歴史的事件にかかわってきたヒーローが次々と
殺されていく裏で、世界を揺るがす壮大な陰謀劇が展開する。
出演は『リトル・チルドレン』のジャッキー・アール・へイリーら。
前人未到のビジュアル・ワールドと、その衝撃性ゆえ映画化が
断念されてきたストーリーに注目だ。 (シネマトゥデイ)
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これは面白かったです。
原作は知りませんが、アメコミなのでしょうか。
いわゆるチープなアメコミのヒーローもののイメージとは
一線を画すエンターテインメントでした。
過去の歴史的事件の陰には、ウォッチメンという者がいて
どうやらその者たちの活躍というか、匙加減によって
今の現実とは違う歴史を歩んでいる世界を見せられるのです。
アメリカがヴェトナム戦争に勝利していたり、
ウォーターゲートでニクソンが失脚していなかったり、
非常にシュールで謎が多く、興味深い展開でした。
ところが話のメインになってくるのは、
一人のウォッチメンが殺されたことから始まり、
ウォッチメンが次々に狙われるというミステリー劇でした。
自警活動が禁止されたという異能のヒーローたちの、
それぞれの生い立ちや悲しみが色濃く描かれていくなかで、
人間の本質やら、実に深いテーマに言及してくるのです。
さまざまな世界観を卓越した映像で見せるあたり、
手塚治虫の漫画を彷彿とさせました。
もちろんヒーローものですからアクションも存分にありました。
さらにはエロもグロもあったりして、飽きさせませんでしたが
いかにもなんでもありの雑多な感じは否めません。
ですが全編に漂う、落ち着いたダークな色彩感と
悲しみに満ちた雰囲気がなんともいえませんでした。
シュールでスタイリッシュな映像と
壮大で摩訶不思議でユニークなストーリーのこの映画、
ちょっと似たような映画を挙げることが出来ません。
劇中で流れる音楽がまたその時代を代表するような
圧倒的な名曲のオンパレードでした。
Bob Dylan/he Times They Are a Changin'
Simon & Garfunkel/Sound Of Silence
Janis Joplin /Me And Bobby McGee
Jimi Hendrix/All Along the Watchtower などなど。
好き嫌いがはっきりと分かれる作品でしょうが
傑作、怪作の一本だと思います。
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