映画 「クヒオ大佐」
映画 「クヒオ大佐」
吉田和正原作の「結婚詐欺師 クヒオ大佐」を映画化した、
型破りな人間ドラマ。
日本人でありながら西洋人のような容ぼうを生かし、
自分はアメリカ空軍のパイロットなどと偽って女性たちから
約1億円を巻き上げた実在の結婚詐欺師の真の姿に迫る。
どこか憎めない詐欺師役に『南極料理人』の堺雅人。
彼に無償の愛をささげる女性を『余命』の松雪泰子らが熱演する。
付け鼻をして、何とも不思議な主人公に成り切った堺と
3人の女性たちの物語に夢中になる。 シネマトゥデイ
--------------------------------------------------
クヒオ大佐って、とても懐かしく感じました。
その印象的な名前で、実在の彼が詐欺で逮捕された当時、
随分と話題となったことを今でもはっきりと記憶しています。
吉田大八監督の前作『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』が
大変に面白かったのと、今ノッテいる堺雅人サンんが主演でもあり、
本作はとても期待していた映画でした。
どこか憎めない詐欺師役に、あの人懐こい笑顔がウリの
堺雅人サンというのは、まさにハマリ役に思いました。
彼のあの笑顔は、見るからに怪しい人物だとは思っても、
女性たちが騙されてしまうのも無理はないと思わせます。
彼のこのキャラクターがこの映画のポイントでした。
何故女性が騙されるのかって、結局騙して欲しい
という気持ちが、女性にあるからなのでしょう。
男の言うことがあまりに怪しく、99%嘘だと理解していても
1%の部分で信じたい、という気持ちがあるのでしょう。
いつも颯爽とした役が多い印象の松雪泰子サンが
彼に無償の愛を捧げる、弁当屋の女主人を演じていました。
やっぱり上手いと思わせる絶品の騙され方でした。
この映画はコメディーの体をしていましたが、
どこか物悲しい、切ない恋愛映画でもありました。
2番目に騙される博物館の学芸員の満島ひかりが叫ぶ、
”どうして私だったの!?”に男の私は考えされられました。
これが女心というヤツなのでしょう。
満島ひかりが本作でも見事な存在感を示してくれました。
ラストのシュールな展開は吉田監督ならではと思いました。
私としては、大変面白く見た映画ではあったのですが、
本作をテンポの良いお気楽コメディーとして期待した方には
評価が分かれる作品かもしれません。
この記事へのコメント