映画 「ゴールデンスランバー」
映画 「ゴールデンスランバー」
人気作家・伊坂幸太郎の同名ベストセラー小説を、
『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』
に続き中村義洋監督が映画化したサスペンス。
巨大な陰謀に巻き込まれ、首相暗殺の濡れ衣を着せられた
宅配ドライバーの決死の逃避行をスリリングに描く。
主演は、中村監督の『ジェネラル・ルージュの凱旋』
でも共演している堺雅人と竹内結子。
そのほか吉岡秀隆、劇団ひとり、香川照之、柄本明といった
実力派キャストが顔をそろえる。
シネマトゥデイ
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これは面白い作品でした。
否、抜群に面白かったというべき作品でした。
殺人犯人に仕立て上げられた男が逃亡する、というお話は
結構良くある筋立てなのですが、いかにも伊坂幸太郎原作らしい、
奇想天外ともいえる、起伏に飛んだストーリーがまず秀逸。
それを見事に中村義洋監督が映像化してくれました。
もう冒頭の数分から、いきなりギアはトップスピードに入り、
以降、緊張の糸をピーンと張ったまま、あれよあれよと
一気呵成に見せてくれました。
こんなにドキドキ、ワクワクさせてくれた映画は、
洋邦問わずとも、滅多にあるものではありません。
誰しもすぐに画面に釘付けになって、スクリーンを凝視することでしょうが、
それに価するだけの、キメの細かい仕掛けと伏線に富んでいるのです。
それはもう真剣に見れば見るほど、複雑なパズルのピースが、
ピタピタと嵌められていく快感が得られるのでした。
なんという見事な構成力なのでしょう。
シリアスなミステリーに見せて、大いに笑わせ、
しかも泣かせてくれるという、極上のエンターテインメントでした。
更には人と人のつながり、信頼、友情、愛情に満ちていて、
こんなに鑑賞後に心地よく、胸が熱くなるミステリーを知りません。
キャストもちょっと癖のある、豪華な面々が揃っていました。
これだけ面白ければ、本当の黒幕はどーなったんだ、
とかいうことは些細なことといえるでしょう。
ひとつだけ言えば、このタイトル曲の「ゴールデンスランバー」、
とてもポピュラーなものなので、耳に馴染んだオリジナルの
ビートルズの楽曲を使って欲しかったなあ、と思います。
なんでもその使用料はベラボーに高いらしいですが・・・。
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