映画 「インセプション」
映画 「インセプション」
『ダークナイト』の気鋭の映像作家、クリストファー・ノーラン監督が
オリジナル脚本で挑む、想像を超えた次世代アクション・エンターテインメント大作。
人の夢の世界にまで入り込み、他人のアイデアを盗むという
高度な技術を持つ企業スパイが、最後の危険なミッションに臨む姿を描く。
主役を務めるのは『シャッター アイランド』のレオナルド・ディカプリオ。
物語のキーマンとなる重要な役どころを『ラスト サムライ』の渡辺謙が好演する。
斬新なストーリー展開と、ノーラン監督特有のスタイリッシュな映像世界に引き込まれる。
シネマトゥデイ
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これは面白い映画でした。
公開後数週間経ちますがその評判の良さをよく耳にし、
遅ればせながら、やっと見ることが出来ました。
期待通りとても楽しくてワクワクさせてくれた作品でした。
一部で難解で分かりにくいという評価がありましたが、
決してそんなことはありません。
むしろユニークな発想の、多層化した世界観を
上手く見せてくれたな、という感じがしました。
描かれたのは夢の世界。
映画では、夢というモチーフはよく取り上げられますが、
最後に夢オチをバラして、なあーんだというのは
あまり褒められる手法ではありません。
だってそれは、なんでもアリだからです。
で、この映画はこの夢の世界についての、
縛りというか、ルールを観客に細かく示します。
実は前半の仲間集めの部分の大半がこれなのでした。
ですから、ことさらこのあたりは集中して見ていないと、
後半のミッション遂行の、目くるめくような怒涛の展開が
難解に見えて、ついていけないということになってしまいます。
まあ確かに所詮夢の世界のことですので、少々強引だったり
都合の良い描写もあるのですが、そこはもうテンポの良い
あれよあれよの展開と映像に引き込まれてしまうのでした。
なによりこの縛り、ルールの設定が巧みなのです。
とりわけ夢の層が深くなると時間が伸びるのだ、
なんて上手く考えたもので、よく効いていました。
確かに若干複雑なストーリーでしたが、よくあるような
たいしたことのない話を編集で難解風に見せる
なんてものとは違っていました。
メインのストーリーと、ディカプリオと彼の妻との過去のサブ・ストーリーの
絡む比率があまり高くなると、ストーリーが停滞するような気がしたのですが、
このあたりの回収のさせ方も程良く、ラストへの持っていき方も巧みでした。
アクション・シーンもスペクタクルなシーンも見応えがありました。
ラスト・シーンで、ディカプリオが回すコマのような道具の
見方については意見が別れることでしょう。
果たして夢なのか現実なのか、私は現実であると判断しました。
あのコマよーく見ると、止まって倒れる瞬間の寸前まで見せてくれました。
そしてディカプリオは、もうコマを見ずにすぐに子供たちのほうへ向かったからです。
なにかふと、「シェーン」でアラン・ラッドが最後の最後に馬上でグラっとくる、
実は彼は殺られていたのだ、なんて話を思い出してしまったのでした。
ユニークな発想と練り込んだオリジナルな脚本、それを具現する
最先端の映像技術が上手く結集した、近年のハリウッドに稀な
エンターテインメントではなかったかと思います。
この記事へのコメント
そうあってほしいかなーという願いもあるけど(笑)