映画 「雷桜」
映画 「雷桜」
徳川将軍家に生まれた男と村の娘との運命の出会いと身分違いの恋を、
『重力ピエロ』の岡田将生と『フラガール』の蒼井優を主演に迎え、
切なく描く恋愛時代劇。
宇江佐真理の小説を基に、『ヴァイブレータ』『余命1か月の花嫁』
などの廣木隆一監督が映画化。
さらには家臣役の小出恵介ほか、柄本明、時任三郎など豪華キャストが集結。
沖縄や茨城など日本各地でロケーションを行い、
原作のもつはかなく幻想的なムードを映し出している。
シネマトゥデイ
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なんとも評価しにくい映画でした。
素晴らしいロケーションの中、美しく幻想的なシーンで
身分違いの恋愛を描いていますが、全体としては冗長な印象が残ります。
豪華なキャストでしたが、時代劇としての背景が薄っぺらく感じて
結果、主演ふたりの惹かれ合う過程に感情の移入がし難い気がしました。
それでも主演の二人が逢うシーンは、周囲の風景のキレイさと相俟って
旬な俳優さんのオーラを感じて、画面に引き込まれます。
岡田将生クンは、そのキレイな顔立ちが将軍家に生まれた男に相応しく、
複雑な心情を持つ若殿を演じていました。
最近の彼はこの前の「悪人」といい、見る度に演技的な成長が感じられて
ただのイケメン俳優ではない、演技の幅を見せてくれています。
そしてもちろん蒼井優ちゃんです。
デビューの頃からずっと感心させられ続けている大好きな女優さんですが
本作の、山で育った野生の娘役もとても魅力的でした。
馬に跨った彼女の姿がスクリーン一杯に映るだけで、
映画を見ているという幸福感で満たされるように感じます。
なんていうか、映画に愛されている女優さんだなと思ってしまいます。
本作では山の娘ということで、喜怒哀楽の表現が激しい彼女を
見ることが出来ました。
雨中で激しく泣き叫ぶ表情も、颯爽と馬で駆けるシーンも
彼女の登場するどんな場面も、画面に釘付けにさせられてしまうような
魔法のような力を持つ女優さんに、私は感じてしまうのでした。
この記事へのコメント
蒼井優ちゃん、相変わらず良かったですね。
「小さな村の小さなダンサー」は私も見ていました。こちらもなんだかモヤモヤしている内に、レビューをしないままきてしまいました。どうにも主人公のアメリカに渡ったあとの心情に理解しにくいものがあって、亡命の理由もバレエがやりたいのか、自由を手放したくなくなったのか、女性なのか、いずれにしても個人的な欲求に思えて・・。もとよりバレエのシーンの素晴らしさが、全くの門外漢の私には伝わりにくいものだったという印象でした。