映画 「シャンハイ」
映画 「シャンハイ」
『ザ・ライト -エクソシストの真実-』のミカエル・ハフストロームが監督し、
1941年の上海を舞台に描くアメリカ・中国合作のサスペンス大作。
太平洋戦争勃発前の日本軍占領下の上海で、あるアメリカ諜報部員の
死の裏に隠された男女の悲しい運命の物語を紡ぐ。
『ハイ・フィデリティ』『2012』のジョン・キューザック、『SAYURI』
コン・リー、香港の名優チョウ・ユンファ、渡辺謙や菊地凛子らが豪華共演。
激動の時代を生きた人々の愛と宿命のドラマが感動を呼ぶ。
シネマトゥデイ
-----------------------------------------------------------
1941年の上海が舞台の映画。
列強各国が互いに睨み合う複雑な均衡の上に築かれた、
妖しくも危険な魔都上海、その雰囲気はとてもイイ感じでした。
そこで国際派の名優たちがそれぞれ好演しており、
特にさまざまな表情を見せるコン・リーの美しさと、
渡辺謙の存在感が光ってました。
と、これだけ揃っていたのに映画の出来としては、
あとに残るものが少なくて凡庸な印象を受けてしまいました。
なんでだろう、やはり脚本が弱かったのでしょうか。
壮大な舞台のなかで、ミステリアスなサスペンスが展開されたのに
結局はヒネリのない男女のドラマに収束してしまったという感じでしょうか。
その肝心のロマンスが、魔都上海の混沌のようにパラレルで
観客はどこに感情を移入したらいいのかも迷ってしまうのでした。
そうなるとラストでジョン・キューザックとコン・リーが、
首尾よく上海を抜けられても、ああ、良かったという感じになりません。
さらに言えば、こういう雰囲気重視のミステリーですから、
序盤は分かりにくい展開を追うことに必死でひたすら画面を追い、
ようやくストーリーが見えてきて徐々に面白くなってくるのは
恐らく映画が中盤にさしかかるあたりからなのでした。
そのなかでも、まさに真珠湾奇襲前夜の上海での緊迫した情報戦、
空母・加賀や赤城が東シナ海から姿を消した、とかいうセリフにゾクッときます。
出番の少ない菊地凛子が実は重要な役どころ。
彼女はこういう極端な役のオファーが多いようですが、素顔は"ファニー”で
とてもキュートなので「サイドウェイズ」みたいな明るい役がもっと見たいです。
ジョン・キューザックも諜報部員ってイメージではないかも。
悪くはないですが、なんだか感想もビミョーになってしまう映画でした。
この記事へのコメント