映画 「東ベルリンから来た女」

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映画 「東ベルリンから来た女」

ドイツの新鋭クリスティアン・ペツォールトが監督と脚本を担当し、
旧東ドイツで疑心暗鬼に駆られつつ生きる女医の姿を描いた衝撃作。

ベルリンの壁崩壊前の不自由な時代、厳しい監視の目をかいくぐって
脱出を試みようとするヒロインの揺れ動く感情を牧歌的な風景と共に描き出す。

美ぼうの下に情熱を秘めた主人公を演じるのは、
『ブラッディ・パーティ』のニーナ・ホス。

苦難の日々の中で、もがきつつも必死に生き抜こうとする
女性の姿に涙があふれる。
                                  シネマトゥデイ
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とても静かな印象の映画でした。

ですが、主人公の女医の日常を淡々と描いているようでいて、
とても力強く、サスペンスフルな見応えをじわじわと感じる作品でした。

ただこの映画を見るには最低限の知識を必要とします。

冒頭で、ベルリンの壁崩壊の9年前、1980年の夏、東ドイツ とだけの
状況説明があるだけで、映画は静かに流れるように進行していきます。

当時の東西ドイツの時代背景などが、多少なりとも分かっていないと、
ヒロインの女医の行動について、意味不明となりかねません。

「善き人のためのソナタ」を見た時にも感じましたが、当時の
東ドイツというのは、私たちの想像をはるかに超えてヒドい状況だったのです。

その上でこのヒロインを見ると、彼女が如何に困難で不自由な状況下で、
ギリギリのところでプライドを保って、必死であったかが理解できてきます。

なにくれとなく彼女に気を遣い、優しく接する同僚の医師に対して
素直に心を開こうと思うも、どうしても猜疑心を抱く彼女の心情の揺れが
一見毅然と見える彼女の中に見てとれる描写が巧みでした。

また、このアンドレという同僚の男の医師の描写が実に上手くて、
彼の誠実さは本物なのか、自分を監視する者の油断させる手段なのか、
彼女が抱く疑問は、観客の目線とも全く同じで一致しているのです。

このあたりのヒロインの置かれた状況というのは、恐らく
ヨーロッパの人たちには、スンナリと実感出来るのかと思います。

日本人としては、韓国映画に見る北朝鮮との南北問題以上に
実感として判りにくいところなのかなという気がします。

東ドイツの地方の田舎の、風の強い寒々しい風景描写や、
余計な脚色を施していない静かな演出、暗く碧い海の色など、
いかにも通好み、映画祭で受けそうな作品という感じがしました。

ヒロインの凛とした、たたずまいが印象に残ります。
彼女がラストに取った行動には共感が出来ました。

しかし余韻に浸るべきところに、あのエンドロールの音楽は
全く合っていないと思ったのですが・・・。


















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