映画 「カーテンコール」

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映画 「カーテンコール」 の試写を トーキョーシネマショーのイイノホールにて。

オジさんくさい話で恐縮ですが、いまの若い映画ファンは上映中フィルムが
切れて待たされた なんて経験はあるのだろうか。
私が学生の頃、200円、300円の入場料でで名画座に通っていたころは
しょっちゅうといっていいほどありました。特に邦画を観ていたときは。

また、今のように消防法とかがウルサくなかったころは、映画館のドアを開くと
立ち見の客が一杯でスクリーンが見えなかったとか、もっとひどいときは
ドアが閉まらないなんてことも、ままありました。
だから、立ったまま映画を観ることは珍しくなかったし、入り口に”ただいまお立ち見です”なんて
貼り紙がでても、客はどんどん入っていきました。

もっとも、映画全盛の頃を知っているのは、私たちより一つ上の世代でしょう。
でも、この作品が描く映画館の雰囲気は、とてもよく判りました。
この「カーテンコール」を撮った佐々部監督は、私と同学年でした。

ですから、私たちの世代には楽しく観れらた前半部も、若い人が面白く感じたかは判りません。
藤井隆演じる幕間芸人さんの芸も、もともと素人芸という設定ですので、抑えた演出がされています。
物足りなく感じる人も多いことでしょう。

ところが、話がしだいに父と娘の親子の話になるうちに、グンと良くなってきます。

主演の伊藤歩さんが、とても良かったです。
岩井俊二監督の 「スワロウテイル」 での演技が鮮烈でしたが、その後は脇を固める実力派
といった印象の強い女優さんですが、私の好きな女優さんでした。

この作品での彼女は、とても自然体でまたファンになりました。
ありがちな上昇志向の強い、張り切りウーマンとしていないのが良かったです。
夏八木勲の父とのシーン、たいていはここで感情が昂ぶって、声をあらげるなんてふうにしがちですが、
そうせずに、実に静かに見せてくれました。
学生のときに好きだった彼との想い出の防波堤でのシーン、キレイでとても良かったです。

圧巻だったのは、ラストに舞台に上がる井上堯之さんでした。
ギターと唄がうまいのは当たり前ですが、こんなに見事な芝居をしてくれるとは思いませんでした。
正直、藤井隆が老メイクをして唄っても、こんなに感動させてはくれなかったでしょう。
それはもちろん、藤井隆の演技がどうということではありません。

井上堯之さん、藤井隆の ”歌詞間違えて、スッパイダース” というギャグをどう思ったでしょう。

井上堯之さんの舞台を見ての伊藤歩さんの涙は、本当に泣いているように見えました。

基本的にはかなり大甘なメロドラマなんですが、すごく爽やかな後味を残してくれました。

斉州島のやたら気のいいタクシーの運転手さん、最後に道に迷ったというのは
気の利いた彼の演出だったのでしょうか。



「カーテンコール」 メイキング (仮)
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