映画 「玲玲の電影日記」

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映画 「玲玲の電影日記」 の試写を科学技術館サイエンスホールにて。

いつものごとく九段下駅を出て坂を登るべく、ホームの外に出た途端
満開の桜が眼に入りました。
お堀の脇から伸びる桜の木、武道館へと向かう田安門のあたりは特に見事。

また、今日は武道館でTOKIOのコンサートがあるようで、やたらと人が多く
なにか”ハレ”の気分でしたが、いかんせん気温が低く、風が冷たく寒いのです。
ですが、満開の桜は心地よく、きっと日本人のDNAには何かがあるようです。

さてさて、今日の映画は「玲玲の電影日記」 でした。
いやー中国映画、恐るべしです。

本作が映画デビューとなる、まだ30過ぎの若い女性監督の作品だったのですが
ストーリーも展開も語り口も、お見事でした。

とても楽しくて切なくて、一気にダレることなく見せてくれました。
主人公玲玲に思いっきり感情移入して、ホロリとさせられます。

特に幼年期の玲玲を演じた女の子の可愛いくていとおしいこと。
お母さん役のチアン・イーホンは、映画スターを夢見た美しい女性という設定通りの
キレイな人でした。あの人の娘なら、こんな可愛い女の子で間違いありません。

対照的なのが相手役の男の子。
いかにも文革後のあの時代の”ガキ”の雰囲気で、袖口で鼻水ふいてしまうようなのが
ピッタリのイイ表情をしてました。

話の舞台は中国西北部の田舎町ということですが、これがとんでもない田舎で
わずかな集落をちょっと離れると、もう原野というのが相応しい草原が広がったり
砂丘が出てきたり、そのまま西部劇が撮れそうな景色の所でした。

本当に中国映画は、新鮮で圧倒的な風景を見せてくれます。
そこを玲玲と男の子が二人して駆けるシーンなどは、とても綺麗でした。

この映画は、文革の時代に生きた美しい玲玲の母の一代記としても
大変興味深く観られますが、映画好きとしてたまらないのは
全編が”映画”に満ち溢れていること。

そう、中国版「ニュー・シネマ・パラダイス」というに相応しい映画でした。

玲玲の母親と結婚することになる野外映画館の映写技師が
劇中さまざまな映画を上映しますが、きっとそれぞれの作品には、そのチョイスに
意味が込められていたことでしょう。そこを理解し得ないのがちょっと残念に思います。

玲玲にしても、青年となったダービンにとっても、映画こそが
貧しくとも幸せであった幼い頃の母親や親友や優しかった人たちとの
生活そのものであったのでしょう。

あのホーム・シアターのような玲玲の部屋、映画好きは溜息つきましたよね。

中国においてもTVの普及などと共に、映画(ましてや野外映画など)が
衰退していく感じがとても切なくて、それがさまざまな事件を享受しつつ成長する
玲玲の心情にオーバーラップして、心打たれずにはいられません。

見応えのある素敵な作品でした。
あえて言えば、玲玲の弟の事故と冒頭の犬の事件は
別な描き方が出来なかったでしょうか。(あの状況、フツー犬なら逃げるでしょう。)
それはさておき、大好きな忘れられない映画になりそうです。

野外での映画の上映、懐かしかったです。
私も子どもの頃、夏休みの小学校の校庭で観た記憶があります。
みんな弁当持ち寄って団扇をパタパタやりながら、確か映画は怪談モノでした。










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