映画 「麦の穂をゆらす風」

画像



映画 「麦の穂をゆらす風」 を観ました。

アイルランドの独立への戦いを描いた作品でした。

カンヌ映画祭で最高賞であるパルムドールを受賞した作品
ということで、今大変注目されている映画です。

まあ、そういうことはあまり頭に入れずに、構えたりすることなく
画面に向かいましたが、これが実にシリアスで重い映画でした。

民族の自立、尊厳、誇りといったものがどういうものであるのかを
否応無く考えさせられる作品でありました。

英国の支配からの独立を目指して戦うアイルランドの人々。

牧歌的というに相応しい緑豊かな土地にあって
名も無き市井の人たちが、英軍の理不尽というべき抑圧を受けるさま
人間としての尊厳を賭けて戦いを挑むさまが、実にリアルに描かれます。

それは本当に辛く、正視に耐えない場面が多くありました。

ここからは、戦争、紛争というものがどうして起きるのかが
はっきりと見てとれたような気がしました。

暴力による抑圧は、暴力による抵抗にあって、それが連鎖を生むのです。
やられたらやりかえすという図式は、国であっても、ヤクザの出入りでも
同じように思えました。憎しみ、恨みはあっという間に浸透するのです。

更にこの映画は、単に戦争の悲惨さを訴えるものでないのです。

英国が認めた独立を巡って、アイルランドに内戦が勃発し
それまで同志として共に戦った者同士が、銃を向け合うことになります。

果たして、友人に向け発砲することや、更には自分の兄弟を処刑すること
これにも増して大切なこと、守るべきことがあるのでしょうか。

国とは、民族とは何なのでしょうか。

この映画を観て、今の日本人は云々・・という方が出そうですが
軽々な物言いは議論を呼ぶのではないでしょうか。


こういう映画でしたので、ご覧になられる方はそのつもりで。
はっきりいって観た後は、気分の滅入る作品でした。
エンターテインメントとしての面白さなどは期待せずにどうぞ。

この映画は、イギリス人のケン・ローチ監督の撮ったイギリス映画でしたが
この映画に出てくる英軍の描き方は、あまりに鬼畜というに等しいもので
こういう輩もいたというような描き方でなかったのが、ちょっと気になるところでした。

またIRAというと、テロ組織という認識しかありませんでしたが
その原点が垣間見えました。


人気blogランキングへ
画像








やさしくキスをして ケン・ローチ監督
やさしくキスをして [DVD]

"映画 「麦の穂をゆらす風」" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント