映画 「母べえ」

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映画 「母べえ」 を観ました。

山田洋次監督が昭和初期につつましく生きる家族の姿をとらえて、
現代の家族へのメッセージとしてつづった感動の家族ドラマ。
夫のいない家族を支える強くてけなげな母親を演じた主演の
吉永小百合をはじめ、坂東三津五郎や浅野忠信、子役の志田未来、
佐藤未来が、戦前の動乱に翻弄されながらも懸命に生き抜く人々に扮する。


今年の日本映画には、出来の良い、泣ける感動作というものが
多かったように思いますが、本作も真打ちというべき一作でした。

山田監督らしい、丁寧で判りやすく、それでいて無駄がなく
観客を魅了させたまま、飽きさせません。

戦争へと突き進んだあの時代を描いて、声高に反戦のメッセージを
叫ぶことなく、現代に通ずる平和や家族への想いを伝えます。

戦争を容認するその時代の空気の中、本音を言うことがままならぬ
世の中へと少しずつ、当たり前のように変化していったあの時代。

つつましくも力強く健気に生きる、吉永小百合の家族たち。
吉永小百合の、凛々しくも情愛に満ちた母親の圧倒的な存在感。

志田未来ちゃんは、どのシーンの表情も素晴らしかったです。

特筆すべきは、浅野忠信の演技でした。
元々素晴らしく上手い俳優さんですが、彼の出演作は作家性の
強い作品が多かったので、これほど山田ワールドにピタリとはまった、
コミカルで頼りなさそうで、実は心優しく強い心を持つ男の芝居は
文句なしに絶品の出来でした。

もちろん山田監督作品ですので、全編に笑えるシーンがありました。
その笑いは監督ならではの、嘲笑とか苦笑とか、ブラックなものでもない
万人が楽しいと思えるものであるのが、好感が持てて見事なところ。

ラストに至って、少々駆け足になって端折った感が無きにしも非ず
と思ったのは、山田洋次ならばという期待感、信頼感からでしょうか。





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