映画 「アントキノイノチ」

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映画 「アントキノイノチ」

歌手さだまさしによる小説を、『ヘヴンズ ストーリー』が第61回ベルリン
国際映画祭国際批評家連盟賞などを受賞した瀬々敬久監督が映画化。

複雑な過去を持ち心を閉ざした若者が、
遺品整理業という仕事を通じて再生していく姿を描く。

主演は『告白』『悪人』の岡田将生と、『東京公園』の榮倉奈々。

2人を見守る重要な役どころで、ネプチューンの原田泰造が出演するほか、
若手注目株の松坂桃李、ベテラン柄本明ら多彩な顔ぶれが脇を固める。
                                  シネマトゥデイ
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この作品、モントリオールの映画祭で受賞されたとのこと。

そのことは実に喜ばしいことで、素直に敬意を評しますが、
個人的に正直な感想を述べると、あまりピンとこなかった映画でした。

タイトルからはどんな内容の映画かは全く分かりませんでしたが、
予想に反して、シリアスで重い内容の作品でした。

主人公は遺品整理業という仕事を通じて出会い惹かれる若者たちでした。

こういうちょっと特殊な仕事にスポットを当てたことは大変興味深く、
孤独死された方のなかにはワケありな人生を送った方も少なくないでしょうし、
きっとドラマになる要素も多いのだろうと考えました。

しかし映画はそこのところより、むしろその仕事に従事する
複雑な過去を持ち心を閉ざした若者に重きを置いていました。

多くはゴミと異臭のなかでの故人の遺品整理の現場の作業のさなかに
挿入される回想シーンで、岡田将生クンの過去が明らかにされていきます。

これらのシーンには吃音をバカにされる主人公や他にもイジメ役、
イジメられ役が登場しますが、どうにも彼らのことが理解、共感しがたいのです。

いつの時代も若者は悩んで苛立ってもがき、時には荒れるのでしょうが、
彼らの姿に、切羽詰まったギリギリの緊張感や懸命さを感じられませんでした。

恐らくは私が年を取って感性が鈍いということでしょうけれども、
特にイジメ役の彼のモチベーションなどは全く理解不能なのでした。

榮倉奈々ちゃんのほうも、その壮絶な過去がセリフだけで語られます。

こういう二人が徐々に惹かれあうというのはよく理解できますが、
彼女が彼に自分の過去を話した後、彼の前から姿を消すというのも
私が男だからか、理解しにくいところでそうなのかなあ、と思うのでした。

時折挟まれる、檀れいや柄本明演じる遺族を描くパートがいいので
余計にそんなことを考えたりするのでした。

この作品で決定的に違和感を覚えたのがヒロインの事故です。

これはネタバレになるのでしょうが、どうしてあそこで彼女が
事故に遭うのか、全く不自然で不可解と思うほかありません。

生命の尊厳とかつながりを描いた映画で、どうしてこんな展開になるのでしょう。
むしろ命をないがしろにし、もてあそんでいるのでは、と思えます。

彼女の死を、キレイな花畑に寝転ぶ彼女の姿で伝えようとした
演出家の感性にも、全く相容れないものを感じてしまいました。

彼女の遺品を整理し、自分の写真を見つけて思わず涙する彼。

あまりに出来すぎの安直で強引なお涙頂戴の図と感じてしまうのでした。

岡田将生、榮倉奈々のお二人は悪くなかったです。
でもこの作品のイメージには健康的な美男美女過ぎたかも。

「アントキノイノチ」というこの作品のタイトルの、
言葉遊びだか駄洒落だかもなんだかなあ、という印象です。






















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